Reaper..†



───




「母さん、父さんは覚えてるのかなぁ。」



「絶対、覚えてるわよ。おめでとうレイン、今日は私がお父さんの役まで果たしてみせるわ!」



「本当に?!」




…そうだ、あの時、肩車してもらったっけ。




「父さんってどんな人なの?」



「お父さんはね…優しい人よ。」



“優しい人”としか言わない母さんに何度も聞いたことがある。



「優しいのにどうして帰ってこないの」って。



そしたらいつも母さんは困り顔で「ごめんね」と謝ってばかりいた。


…謝ってほしかったわけじゃない。





ただ…











「母、さん…?」





知りたかったのは、こんなことじゃない…。











「母さん!!」



どうして、どうして……
















笑ってたんだ…






───






< 56 / 156 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop