罪を犯した織姫と、傷を背負った彦星は。
「まーた岩崎先生?」
「うん。さっきの時間は授業をしてる先生を見放題なの」
片づけをし終わり、グラウンドから校舎に戻ろうと歩いている先生を飽きずにジッと見つめる。
こっち向かないかな。
さすがに4階の教室だと目は合わないか。
「そんなにイケメンかね~?」
なんて言って私と同じように視線を先生に移す。
イケメンだもん。と心の中で反論する。
短い黒髪をツンっとセットして、切れ長の奥二重は笑うと綺麗な弧を描く。鼻の高さは普通ぐらい。唇は少し薄くて、笑うと肌の色とは反対の真っ白な歯が綺麗に並んでいる。
一花と私のタイプが全然違うから、一花からしたら先生はカッコよくないかもしれないけれど、私からしたら王子様のような存在だ。