罪を犯した織姫と、傷を背負った彦星は。
『メンバーはね、波留と輝!あと、もしかしたら翔も来れるかもって!』
一花が口にした名前は、中学2年生の頃仲が良かった男の子たちの名前だった。
そして最後の人物の名前を聞いた時、「あ」と小さく声が漏れた。
『どうかした?』
「ううん。なんでもない。今度の水曜ね。詳細決まったらまた連絡して」
そう言って電話を切った。
私はそのままベッドに倒れこみ、目を瞑る。
「翔…か」
久しぶりに聞いた名前。
だけど関りがなくなってから、翔の事をふと、思い出したことがある。
きっかけは翔のSNSをフォローしたら、フォローが返ってこなかったという、なんともくだらない理由。そんな理由で去年少しだけ彼を意識した時期があった。
…私、何かしたっけ?と。
ただ単に私のフォローに気が付いてないだけで、きっといつか気づいて返してくれるだろうと思ってた。
だけど、どれだけ月日が経っても、どれだけ私が彼の投稿に『いいね』を押そうとも、彼からフォローが返ってくることはなかった。
フォローをしたのは、大学2年生の夏ごろ。それから半年間、どれだけ私が彼の投稿に『いいね』を押しても、彼からフォローが返ってくる事はなかった。