罪を犯した織姫と、傷を背負った彦星は。

「あちゃー…遅延してる」

駅に着くと遅延のお知らせが表示されていた。私は一花に連絡を入れると、一花も遅れるときたので、グループラインで遅れる旨を二人で伝え、先にお店に行ってもらう事に。

しばらくしてすぐに電車が来たので、それに乗りそのまま新宿駅へ向かい、一花が到着するのを待って一緒にお店に行った。


「お待たせー!」


一花が声をかけると先に来ていた男子二人は「おつかれー」と言葉を返した。私は内田波留ことハルちゃんの前に腰を下ろした。

チェーン店の居酒屋の中は薄暗く、煙草の煙で余計に視界が悪く見える。

大きな部屋に、四角い大きなテーブルが四つ並べられていて、仕切りはない。

いくつかのグループがそれぞれの席で飲んでいるため、沢山の笑い声がそこに響き渡る。

自分たちが一番楽しんでるんだぞ、自分たちグループが一番面白いんだぞ、と言わんばかりの大きな声。



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