罪を犯した織姫と、傷を背負った彦星は。


「輝、結局翔は来れなかったんだね?」

一花はGジャンを脱ぎながら大野の前に静かに座った。

「そーなんだよ。バイトだって」

大野はドリンクのメニュー表をこちらに渡し、続けて「何飲む?」と聞いてきた。

私たちが遅れてしまったため、先にお酒を頼んでいた二人。ハルちゃんは、既に顔が赤くなり始めていた。

私はカシスソーダを。一花はレモンサワーを注文した。

すぐに飲み物が運ばれてきたので、幹事の大野が乾杯の音頭を取る。


「えー。それでは、2年4組プチプチ同窓会に、かんぱーい!!」

「プチプチって何だよ、輝!」

「かんぱーい!」

「あははっ」


久しぶりなのに、久しぶり感が無い友達って、やっぱりいいなと思う。

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