罪を犯した織姫と、傷を背負った彦星は。


「結局さ~男子が揉めて、一緒に修学旅行行けなかったよね」

「そうだったね。私と一花。それから大野、ハルちゃん、翔の五人で組む予定だったのにね」


三杯目のお酒が届き、一花は顔が赤くなり始めていた。

大野とハルちゃんは私たちより少し多めに飲んでいる事もあり、来た時よりもテンションが高くなっている。


「本当だよ!俺は女の子たちと一緒に行きたかったのに、まさかの男子班だぜ!?男だらけで寂しかったよなぁ波留?」


ハルちゃんの肩に手を回し、大きな口を開けて笑う大野。


「あ、じゃあさ就活が本格的に始まる前に皆で旅行しようよ!」

「旅行ってどこに」

「そりゃもちろん、修学旅行と同じ行き先!京都と奈良!七年越しの修学旅行!」



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