罪を犯した織姫と、傷を背負った彦星は。
グラタンを飲み込み、一花に「ありがとう」と一言伝える。
昼時のファミレスは様々な人たちで賑わっていた。子連れの主婦、昼休みのサラリーマン、テスト期間なのだろうか、高校生の姿もちらほら。
そんな店内の片隅に向かい合うように座る私たち。
黒のショートカットがトレンドマークと言っても過言ではないだろう。外はねがよく似合う小顔に、大きく存在感のある目。少しだけつり目になっているが、それがまた彼女の綺麗さを引き立てている。
中学の頃の一花は男の子に人気だった。卒業してから、上京するまで会う事がなかったが、その美貌はより、彼女を際立てていた。
私はまだ口をつけていなかったコップを手に取り、喉に潤いを与えた。
「で、どう思うの?」
二回目の質問に、コップを置いてから私はすぐ答えた。