罪を犯した織姫と、傷を背負った彦星は。
「失礼しまーす」
扉を開くと隣の壁には、体育館やプールの控室などのたくさんの鍵が壁にかかっている。隣はロッカーがあり、その間を進んで左に曲がると、広い室内に机が四つある。
中はソファーがあったり、テレビがあったり、なかなか設備が整っている。もちろん生徒の使用は禁止だけれど。
岩崎先生の机は、ロッカーの裏側。つまり曲がってすぐの所。
「岩崎先生」
そう言ってひょこっと顔を出すと、岩崎先生は「うわっ」と声を上げた。その手には一枚の小さな紙を持っていた。
「ビックリした」
「ちゃんと入室の時、声出しましたよ」
先生は目線をこちらに向けながら、読んでいたであろう紙を二つ折りにし、そのまま机の引き出しに入れた。
「…ラブレターですか?」
「何ってんだ」