罪を犯した織姫と、傷を背負った彦星は。


先生はハハッと笑いながら、静かに机の引き出しを閉めた。

「先生、彼女いるの?」

「さあー?どうでしょう」

「あ、教えてくれないってことはいるな!?」

「秘密。俺有名人だからね。プライベートは非公開」

唇に人差し指をあてながら、悪戯好きな小学生のように笑う先生。

面白がって私が本気で聞いてるって思ってないな。

「そんな事より、はい、これ」

そう言って渡されたのは鍵だった。

「トレーニングルームの鍵ね。俺少し遅れていくから先に練習始めてて」




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