罪を犯した織姫と、傷を背負った彦星は。

「その間に岩崎先生に彼女できるかもよ?」

「できる前に私が付き合う!」

「それじゃあ大人になる意味ねーじゃん」

確かにそうかもしれないけど、大人にならないと先生の隣にいることは許されない。

だから、いつか言うんだ。

『先生の事が好きです。私が大人になるまで待っててください』って。

きっと先生は真面目だから、教え子と付き合うなんてしないと思う。ましてや法律で未成年に手を出すのはダメって決まりがあるんだから。


よく恋愛小説である甘い展開なんて期待してない。

本当は少しだけ、先生と禁断の恋をする自分を想像しちゃうし、憧れはするけど。

でも私は大人になった時、隣にいてくれるのが先生であるならそれでいい。

それ以上の事は、この学生生活で望まない。

だから、どうかお願いです。

先生、誰のものにもならないでください。



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