罪を犯した織姫と、傷を背負った彦星は。


――――――――…


結局、その日の講義は15時に終わり、待ち合わせの時間まで時間があったので一度家に戻った。

洗濯物を取り込み、水回りの掃除をして、メイク直しをする。

大学に行く時は、ストレートの内巻きにしていたが、少しだけヘアアレンジを加える。

髪の毛を巻いて、後ろで三つ編みにする。それをそのまま巻き付けて、シニヨンを作る。顔周りのおくれ毛はくるっと外巻きと内巻きを混ぜ合わせた。

鏡に向かってニコッと微笑みかける。

うん、バッチリ。

だけど、すぐに現実に引き戻される。

何張り切ってるんだろう…。

「…。」

翔が来る。

ただ、それだけなのに。




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