恋をした私達の秘密
プロローグ
「紗季！危ないっっよけてー！！」
「え？」

突然のことであまり覚えていない。

私が目覚めたとき「事故だったんだ」と警察や医者、家族が言った。
　事故にあったのは中学校の卒業式の日。

友達と別れようとしたとき、車にはねられた。飲酒運転だったらしい。
それから約一ヶ月間眠っていたらしく、軽いリハビリをうけた。不幸中の幸いか、頭を強く打っただけで、大きな怪我はなかった。

中学の友達も見舞いに来てくれて、薄くなっていた記憶もはっきりとなった。

高校の入学式には間に合わず、一週間経ってからの登校になった。
最初は事故にあった子として注目をあびたけれど、少しすれば友達もできた。

その友達は、後藤里美でさとちゃん。古木桃花でもかちゃんのふたり。
私は、少し人見知りなところがあるため、話しかけてくれたときは、本当に嬉しかった。

だけど私はずっと気になっていたことがある。
事故から目が覚めたときから見ている夢に、いつも心配そうにしている男の人がいて、その人は必死に何かを伝えようとしている。

だけど、それが何なのかわからない。


ただの夢なのかもしれないけれど、私はその男の人がどうしても気になる。
< 1 / 4 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop