テガミ
***

「じゃ、来月あるキャンプに向けて進めてくぞー」

先生のその声を聞き、やっと思い出した。

そうじゃん。なんか行事あったと思ってたらそれだ。キャンプだ。

この話聞いてればこの1時間終わるんだよね。ラッキー。

「で、早速今日はキャンプファイヤーで踊るダンスの練習するぞ!

さあ!体育館へGOだ!!!」

…嘘じゃん。





「じゃあ早速曲を聴いてもらいたい!」

♪〜♪〜



「と、この3曲だ!最後の曲は男女でやるぞー」

「「はあ〜〜っ!?!?」」

「なんで!」「まっじでやなんだけど」「何考えてるんだか…」

といろんな声が聞こえる。私もその声に賛成。

なんで急に…去年はやんなかったって姉ちゃんいってたのに…

「はーい口答えしなーい!」

くっそ〜……本当になにがしたいの、この人は…





「はいそこでターン!」

「…」

くるっ

意外と簡単だった。でも次に進むと男女のやつになってしまう…

どうにか阻止したい。今日はやめて欲しい。

だからわざと下手なふりをして時間を稼いでいた。

だがそれは叶わず、

「じゃあ次いくぞー」

「「ええ〜!!!!!!」」

「はーい、男女別で輪になれ〜」

私の苦労が水の泡に…


まあ仕方ないか…やるからにはちゃんとやろう。



ふぅ……男子多いから疲れるな…。

普通に手を握ってくれる人もいれば、手首を持って踊る人もいた。

「(わ…そろそろ光輝くん来るじゃん……)」

数秒で交代だからな…。そう考えてると

あっという間に光輝くんと踊る番が来た。

ぎゅっ

「(あ、光輝くんはちゃんと握ってくれる人か)」

チラッ

光輝くんの顔を見たら、光輝くんもこちらを見ていたようで目が合った。

「…ふふっ」

「な、笑わないでよね〜」

「ごめんごめん」

そんなことを小声で口ずさんでいると、もう次の人と踊る番だった。
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