キミへの想いは、この声で。

「茜ちゃん……、颯太がいないときはいつもひとりで過ごしてるでしょ?

……ひとりが好きなら別だけど、もしもそうじゃないなら、私たちのグループにおいでよ」


優乃ちゃんの言葉に、思わず組んでいた手を元の位置に戻す。


落下したボールが跳ねながらどこかへ行くも、私はそれを取りに行こうともせず、優乃ちゃんの目をしっかりと見た。


優乃ちゃんはいつのまにか練習をやめていたようで、ボールを抱えていた。


『私……、まだ優乃ちゃんや徳原くんのことよく知らないよ?』


「うん、わかってる」


『それに私、ふたりのこと信じるまでにきっと、すごく時間かかっちゃうよ?』


あの太陽のような存在の颯太くんだって、友達になるのにすごく時間がかかった。

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