キミへの想いは、この声で。
「あ、直樹!」
颯太くんに解き方を教えている最中の徳原くんに優乃ちゃんが声をかける。
「……なに?」
「クレープ奢って!」
優乃ちゃんが両手を合わせてお願いすると、徳原くんは顔をしかめてあからさまにイヤそうな顔をした。
「無理。そもそも今、金持ってないし。
つーか、駅前のクレープ屋ならひとりで行って、自分の小遣いで買ってこいよ」
あきれたように話す徳原くんに優乃ちゃんがキョトンとした顔つきになる。
「なんで、駅前のクレープ屋ってわかんの?
アンタ、天才?」
「天才もなにも、チビの頃からクレープ屋はあそこだけだろ?」
はぁ……、ともう一度ため息をこぼす彼。