キミへの想いは、この声で。

「わ、悪かったって」


「ならお詫びにクレープ奢って、颯太」


「えぇっ!さすがに高すぎるって!」


クレープの値段はだいたい四百円ほど。


……きっと、大人からしたら四百円はそれほど高くないんだろうけど、子どもからしたら四百円はすごく高い。


お小遣いの四割。


「あー、クレープのこと考えたら宿題に集中できなくなった」


「いつもだろ、それは。

お前が集中してるとこなんて見たことねーし」


「なっ!」


徳原くんの発言に拳を震わす優乃ちゃん。


図星なのか、なにも言い返せない様子で……。


「よし、終わった」


「え!直樹、早っ!」


徳原くんのスピードの速さに、みんなが目を丸くする。


「……こんな問題くらい秒で終わらせろよ、お前ら」


冷たい目をして話す徳原くん。

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