キミへの想いは、この声で。

じ、地味に怖い……。


「直樹……、茜が怖がってるからもう少し愛想よくして」


困った顔で徳原くんをなだめてくれるのは優乃ちゃん。


「……あー、ごめん。佐藤」


気まずそうに謝る徳原くんに私はブンブンと首を振った。


「あー……。とりあえず、わからないとこあったら言って。

できるだけわかりやすく教えるから」


頭をガシガシとかきながら、少しだけ照れくさそうにする彼。


「直樹、神!!」


……すごい瞳キラキラしてる、颯太くん。


「じゃ早速、ここ教えて!直樹!」


「どれ?」


そう言いながら徳原くんは、優乃ちゃんの計算ドリルを覗きこんだ。


さっきは〝もう二度と聞くな〟って言ってたのに……。


徳原くんは、やっぱり優しい人だね。

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