キミへの想いは、この声で。
そんなこんなで徳原くんを頼りになんとか宿題を終わらせると私たちは帰ることになった。
昇降口を出て、門までまっすぐ歩く。
するとそこに、見覚えのある人物を発見して……。
あれ、お母さんだ!
……そうだ!
私はみんなに待ってもらうように頼むと、すぐにお母さんの元にパタパタと走った。
「あ、茜。おかえり」
薬局の袋を片手に私に話しかけるお母さん。
そのお母さんの隣には、子ども乗せ自転車があって……。
『お母さん、今お金ある?』
「え?あるけど……」
本当はこんなこと頼んでいいかわかんないけど……。
『あのね、このあと時間あるなら、友達にクレープ買ってほしいんだけど……ダメかな?』
「クレープ?」
不思議そうに私の目を見つめるお母さん。