キミへの想いは、この声で。
story*10 颯太くんともうひとり
「うぅ……。今日寒すぎでしょ……」
優乃ちゃんが両手に息を吹きかけながら、そんなことをぼやく。
季節は冬。
クレープの日から、あっというまに月日は過ぎて、今は十二月。
あの日以降、優乃ちゃんたちとはどんどん仲良くなっていって、今では四人で行動することが当たり前の日常になっていた。
それが嬉しいことでもあるんだけど、その反面怖さもあって。
いつかこの関係も崩れてしまうんじゃないかって、そんなことを考えてしまう。
ここに来た頃と比べたら、だいぶ薄れている記憶だけど、今でもあのときのことは引きずっている。
だから……、この平和な毎日が今はちょっと怖い。