キミへの想いは、この声で。

私と優乃ちゃんもポカーンとしていた。


「今日直樹の誕生日だろ?

だから、それ……」


「……俺の手提げ袋を引っ掻き回してたのは、これを入れるためだったのか?」


「うん、まあ。

直樹にバレたから、作戦失敗だったけど」


「そっか。……サンキューな」


徳原くんは照れたように顔を赤くすると、机の横に引っかけている手提げ袋にそのプレゼントをそっとしまいこんだ。


「……ごめん、直樹。

私、完全にアンタの誕生日忘れてたわ」


「いや、別に気にしないけど。

ただ、颯太たちの誕生日は忘れんなよ」


念を押すように徳原くんは話す。

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