キミへの想いは、この声で。

颯太たち……?


「別に忘れてもいいから、俺の誕生日」


焦ったように話す颯太くんを横目に、徳原くんの袖をクイッと引っ張る。


『徳原くん、颯太たちって?』


徳原くんが振り向いたのを確認したあと、いつものように手話をした。


優乃ちゃんだけでなく、颯太くんと徳原くんも手話をマスターしてくれたから、今ではこうして気軽に手話を扱うことができる。


「あぁ。四月に颯太と颯太の双子の兄の誕生日で、まだまだ先の話だけど、俺の次が颯太たちなんだ。

だから、ふたりの誕生日忘れんなよーって話」


へぇー……。


颯太くんには、双子のお兄さんがいたんだ。


一人っ子じゃないことは知ってたけど、それがまさか双子とは思わなかったな。

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