キミへの想いは、この声で。

「よっちゃん、今年の冬休みはこっちに来れそう?」


「いや、今年は無理そうだって」


「そうなんだ……」


颯太くんの言葉に肩を落とす優乃ちゃん。


よっちゃん……。


それが双子のお兄さんのあだ名か。


『双子のお兄さんって、名前はなんて言うの?』


少しばかり気になった私は、颯太くんにたずねてみた。


「あぁ、〝ようた〟だよ」


ようたなんだ。だから、よっちゃん……。


あれ……?


ひとり納得していると、ふと大きな疑問を抱く。


冬休みに来れるとか来れないとかって、なんの話だろう?


ようたくんって人とは、一緒に住んでないの?


「ようたがいなくなってから、もうすぐ三年か」


徳原くんがどこか寂しげに呟くと、颯太くんもちいさく頷いた。

< 138 / 337 >

この作品をシェア

pagetop