キミへの想いは、この声で。
「おはよー!茜!」
翌日。
いつものようにクラスで一番目に学校に行くと、颯太くんよりも早くに優乃ちゃんが教室へとやってきた。
『おはよう。今日は早いね?』
「なんか朝早く目覚めて。
それより、昨日はなんか暗い話してごめんね」
自分の席にランドセルを置いた優乃ちゃんが、私の席に向かって歩きながらそんなことを話す。
『大丈夫だよ』
「それならいいんだけど……。茜は、颯太から家族のことでなにか聞いてたりする?昨日の話以外で」
私の前までやってくると、ためらいがちにそんなことをたずねてきた。
『ううん。なにも聞いてないよ』
「そうなんだ。
……昨日の話、内容についていけなかっただろうから、私から少し颯太のこと話させてもらうね」
優乃はちいさく深呼吸をすると、静かに話し始めた。