キミへの想いは、この声で。

「痛い、痛い。悪かったって」


「颯太のバーカ!」


優乃ちゃんはベッと舌を出すと、そのまま教室を出ていった。


えと、こういうときはどうするべきなんだろう……。


突然のことにアタフタしてしまう。


「あ、茜。心配しなくても大丈夫だよ。

優乃のあれは、ちょっと拗ねたときにやることだから」


『そうなの?』


「うん。だから大丈夫。

すぐ戻ってくるから」


すぐ戻ってくるんだ……、なら心配しなくても大丈夫……かな?


颯太くんは机にランドセルを寝かせると、イスに腰かけ、いつものように私とたわいもない話をしてくれた。

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