キミへの想いは、この声で。
story*11 転校生と颯太の存在
【side 直樹】
「ちょっと、直樹!」
チャイムが鳴るまで残り十分となった今。
俺の目の前にカンカンに怒っているヤツがやってきた。
「優乃か。どーした?」
「どうしたもこうしたもない!
先生に呼び出されてたってウソつかないでよ!」
……あぁ、そのことか。
フツーに今の今まで忘れてたけど。
「お前がうるさいからだろ」
「なっ!そんなことないし!
というか茜は?」
キョロキョロと周りを見まわす優乃。
「佐藤なら颯太と一緒にさっき出てったけど」
「はぁ!?颯太のヤツ……、また茜に変なことする気じゃ……」
「変なことってなんだよ、それ」
俺は冷めた目で優乃の目を見た。