キミへの想いは、この声で。
「……そうかな?」
「あぁ。
むしろ、そうやってウジウジしてると佐藤を悩ませるかもしれねーぞ」
「え、それはやだ!
それなら俺、いつもどおりになる!」
切り替え早いな……。
そこが颯太の良いところなのかもしれないけど。
「ま、頑張れ」
「うん!……あ、ひとつだけ気になったこと聞いてもいい?」
階段から立ち上がったのとほぼ同時に颯太が話す。
「なに?」
「直樹は、茜のことどう思ってる?」
振り返ると意外にも颯太の表情は真剣だった。
「……友達、なんじゃねーの?」
「そっか。……よかった。
よし。じゃあ、教室戻るか!」
颯太はいつもの明るさを取り戻すと、俺よりも先に階段を下りていった。