キミへの想いは、この声で。
story*12 そんなことは関係ない
──二学期の始業式。
「ねぇねぇ、聞いた?
今日このクラスに転校生が来るんだって!」
朝から優乃が嬉しそうに俺たちに転校生の話をする。
「優乃……、悪いけどその話何回も聞いた」
「俺も。うぜーくらいに聞いたから」
颯太と俺は、優乃から二、三歩ほど距離を置くと、もう聞きたくないという表情 (かお) をした。
「ちょっ!うぜーくらいにって、直樹ひどい!」
「本当のことだろ?」
そんないつものケンカから始まった朝。
しばらくしてチャイムが鳴り、みんなは一斉に自分の席についた。