キミへの想いは、この声で。
「今日からこのクラスで勉強することになった、佐藤茜さんよ。
みんな、佐藤さんにいろいろ教えてあげてね」
クラスメートたちも転校生が来ることは、前々から知らされていたから、誰も驚きはしなかったけど、転校生という存在にみんなは興味津々だった。
だけど、次の先生の一言でクラスメートの態度が一変した。
「それと、佐藤さんは失声症という声が出ない病気を患っています。
だから、いろいろな場面で思い通りにならないことがあると思うけど、みんなで佐藤さんのことをサポートしてあげてね」
先生はできるだけ明るめに、みんなに向かってそう話した。
でも、みんなは先生の思い通りにはならなかった。