キミへの想いは、この声で。

それでも颯太は、毎日佐藤に話しかけていた。


頷くことすらしてもらえなくても、独り言のようになってしまっても、他のみんなが佐藤に近づこうとしなくても。


颯太は毎日話しかけた。


正直そこには疑問しかなかった。


颯太はなんでそんなにも仲良くなりたいんだろうって。


不思議でしかなかった。


そんな疑問を毎日のように抱いていたある日のこと。


いつものように三人肩を並べて帰ろうと、運動場の前を通りすぎたとき。


「あ、なぁ颯太ー」


ふいに颯太が誰かに呼び止められた。


振り返るとそこに立っていたのは、隣のクラスで颯太と仲がいいふたりの男子。

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