キミへの想いは、この声で。

「どうした?」


「ちょうど見かけたから、ずっと気になってたこと聞いてみようかなーと思って」


「気になってたこと?」


颯太が質問を繰り返すと左に立っていた浜中星夜 (はまなか せいや) が颯太に一歩近づき、不思議そうな瞳で颯太に問いかけた。


「おぅ。お前最近、佐藤に話しかけまくってるじゃん?」


「うん。それがどうかした?」


「いや、だから……辛くねーの?」


「辛い?」


突然の質問に颯太はキョトンとした。


横にいる俺と優乃はただ、三人の会話を聞くことにした。


「ほら、佐藤って声出せねーからさ、話しかけられても言葉を返すことできねーじゃん。

それなのに颯太、いっつも話しかけてる。

辛くねーの?」


今度は右に立っていた桜庭陸翔 (さくらば りくと) が颯太に問いかける。


その質問はまさに俺が思っていたこと。

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