キミへの想いは、この声で。

「よくわかんないけどさ、声が出る、出ないって関係あるの?

言葉は通じるんだから、友達になることだってフツーにできるじゃん」


その場にいた全員は颯太の言葉にただ驚かされた。


みんなは声が出せないから、友達にはなれないと考えるのに、颯太は言葉が通じるんだから友達になることはフツーにできるという。


「でも、たくさん話しかけてきてうざいヤツって思われてたら、それこそなんの意味もなくね?」


「……他の人はどうか知らないけど、少なくとも佐藤さんは違うよ。

だって、俺が友達になろうって言ったとき、辛そうな顔で断ったんだ。

本当にイヤなら、辛そうに断ったりしねーだろ?

それに声が出なくなったのだって、それくらい辛い過去があったってわけじゃん。

じゃあ、その辛い過去を友達がいないんなら誰が取り除くんだよ!」


……本当に颯太には驚かされる。

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