キミへの想いは、この声で。

「じゃあ……、星公園で缶けりでもする?」


「それにしよ!」


『私もやりたい!』


颯太くんの提案に、私と優乃ちゃんが力強く頷く。


「……じゃ、やることと場所は決まったし、あとは時間……」


「一時に星公園に集合ってことで!

意義ある人ー」


颯太くんの言葉を遮った優乃ちゃんは、片手を挙げて、みんなにたずねる。


「ない」


『ないよ』


「……俺、家帰ったら少し寝てーからさ、もう少し遅く……」


「よし、決まった!じゃあ帰ろう!」


優乃ちゃんが嬉しそうに握り拳を作る。


「おい、俺の返事をスルーするなよ!!」


「いや、アンタの私情なんて知らないから」


そう言うと優乃ちゃんは手提げ鞄を握りしめ、教室を出ていった。


「……マジでアイツありえねー」


「ま、仕方ないな」


颯太くんはそう言うと、自分の手提げ鞄と私の手提げ鞄を手に取った。


え?なんで私のまで?

< 176 / 337 >

この作品をシェア

pagetop