キミへの想いは、この声で。

──パシッ。


「よし、茜!早く帰って遊ぼーぜ!」


颯太くんは空いているほうの手で私の手を握ると、そのまま扉に向かって歩きだした。


また……、手……つないだ。


このあいだみたく、誰かに見られて騒がれたりしたらどうしよう……。


もう、みんな帰ったかな?


不安になって周りをキョロキョロと確認する。


「……大丈夫だよ。

前みたいなことは起きないよ」


私の気持ちを察したのか、颯太くんは明るくそう言った。


「……もし、誰かに見られて騒がれたとしても、そのときはちゃんと言うから安心して」


ちゃんと言う……?


なにを言うんだろう……。


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