キミへの想いは、この声で。
今の一瞬感じた胸の音はなんだろう……?
「ふーん。まー、いいや。
とりあえず早く帰って、缶けりしよーぜ」
「おぅ……」
徳原くんは颯太くんにそう言い残すと、私たちを追い抜いて、階段を駆け下りていった。
「なんだかんだいって、直樹も缶けりしたいんじゃん。
俺らも行こーぜ」
颯太くんのあきれ笑いにちいさく頷くと、私たちは再び歩きだした。
離れた手が、もう一度つながれることはなかったけど……。
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それから、私たちはこの公園に集まった。
缶はどこから持ってくるのかと思えば、颯太くんが家から持ってきてくれた。
私たちは荷物をベンチに置くと、誰もいないちいさな公園のど真ん中で足を前に出した。