キミへの想いは、この声で。

すると、それに気がついた優乃ちゃんも大きく手を振り返してくれた。


「……はぁ、はぁ。間に合った~……」


膝に手を当てながら、優乃ちゃんがホッとしたように言う。


「そんなに急いで来たのか?」


「あぁ。……家出たの、五分前、だったから……」


颯太くんの質問に、途切れ、途切れになりながらも、そう答える徳原くん。


徳原くんまで息が上がってるなんて……。


きっと、すごく急いだんだろうな。


「……なんか公園すごいことになってんな」


徳原くんが息を整えながら、独り言のように呟く。


「あぁ。それは俺も思った」


私も含めてみんなが公園のほうに目を向ける。


昨日の雪で、あちらこちらに雪が積もってるんだ。


もっとも、大雪というほどではなかったから、雪だるまが作れるほどの雪はないけれど。

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