キミへの想いは、この声で。

──ボスッ。


すると、頬に冷たいものが当たった。


「茜がボーッと立っているなら、俺ら三人で茜に集中攻撃するよ?」


『それはやだ!』


「なら、やろーぜ!一緒に!な?」


颯太くんはいつもの笑みを私に見せると、しゃがみこみ、雪玉を作り始めた。


私も颯太くんの横にしゃがみこむと、同じように雪玉を作ってみることにした。


手袋をしているのに、雪はとても冷たくて、ひとつ作るだけで凍え死にそうだったけど、作るのはすごく楽しかった。


やっとの思いで作り終えた私は、颯太くんと一緒に立ち上がり、ふたりを目掛けてそれを投げた。


私は優乃ちゃんに、颯太くんは徳原くんに。


すると、ふたりとも集中していて気がつかなかったのか、見事にその雪玉は命中して。


こちらの存在に気がついたふたりは、すぐに雪合戦をやめ、大量の雪玉を作り始めた。

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