キミへの想いは、この声で。

「茜、本当にそれの意味、わからなかった?」


『え?うん』


「好きって気持ちも?」


──好き。


それはさっき、颯太くんの口から何度も出ていた言葉。


『友達に感じる気持ちってことしかわからなかった』


「あー、うん。たしかに、そっちもあるけど……」


優乃ちゃんは一呼吸置くと、緊張した面持ちで話し始めた。


「茜はさ、こういう気持ちになったことない?

誰かの発言や行動に胸がドキドキしたり、キュンってなったり」


胸がドキドキしたり、キュンってなったり……。


『颯太くんが頭ポンポンってしたときにドキドキしたり、ニカッと笑ったときに胸がキュンってなるのは、それに当てはまるの?』


「……うん、当てはまる。

茜、それが好きってこと。

誰かに恋をするっていうのは、そういうことだよ」


優乃ちゃんはさらに真剣な瞳で私を見つめる。

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