キミへの想いは、この声で。
未だに胸がドキドキしている私は、気を紛らわすかのように、机の中から国語のセットを取り出す。
だけど……。
あ、あれ?ノートがない!?
慌てて机の中のものをすべて引っ張り出すけど、やっぱりどこにもノートはなかった。
どうしようかと途方に暮れていると、またしても隣の席の彼が話しかけてきた。
「どうしたの?……もしかして、なにか忘れた?」
〝なにか忘れた?〟
その言葉に、自分でも驚くくらい身体が反応してしまった。
「……もしかして、ノート忘れた?」
机の上のものを見て、彼は謎解きをするように答える。
私は恥ずかしくて、頷くことも首を振ることもできなかった。