キミへの想いは、この声で。

「そう……、しっかり頑張るのよ?」


「はい!」


「頑張ります!」


「……ウソくせー」


優乃ちゃんと颯太くんが力強く頷くなか、徳原くんはひとり冷たいツッコミをした。


「なんだよ、直樹!

やるからには、やるからな!行くぞ!」


颯太くんは先陣を切ると、二階へと上がっていった。


「ふふ。颯太くんは相変わらずなのね」


徳原くんのお母さんは眉を下げると、懐かしそうに呟く。


「まぁな、俺らはなんも変わってねーよ」


「ちょっと、待って。直樹。

私は変わったでしょ?!」


「お前は一ミリも変わってねーから、安心しろ」


徳原くんはそう言い捨てると、颯太くんと同じように階段を上っていった。

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