キミへの想いは、この声で。

私たちは二回目のカーレースゲームをすることなく終えると、今度はトランプで遊ぶことになった。


強制的にカーレースゲームを終わらせてしまうことになった私は、申し訳ない気持ちでいっぱいになったけど、やっぱり優しいみんなは私が悲しむほうがイヤだと言って、すぐにゲームを変えてくれた。


本当に……、私は優しい人たちに恵まれている。


しばらくして、門限の五時近くになり、私たちは徳原くんの家をおいとますることとなった。


玄関の扉を開けると、辺りは薄暗く、藍色の空に染まっていた。


「暗いな……」


「お前ら、気をつけて帰れよ」


空を見上げて驚いている私たちに、そう言ってくれるのは徳原くん。

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