キミへの想いは、この声で。
story*16 双子が誓った約束
【side 陽太】
息を切らしながら、昔住んでいた俺の家へと向かう。
昔から変わらない三軒並んだ家を見つけると、手前の家になにやら人が集まっているのが見えた。
暗くてわかりづらいけど、多分あれは直樹と颯太……。
もうひとりは、優乃か?
目を細めて、じっと見つめる。
……いや、違う。
あれは……、あの子は──。
『ひーくん!』
いつも、俺の隣で笑ってたヤツで……。
『……もう、その名で呼ぶな』
俺が傷つけた、大切な友達──……。
茜っちだ……。
颯太といるってことは、颯太はちゃんと俺との約束を守ってくれたんだな……。