キミへの想いは、この声で。

破かれた紙は不格好だったけど、そんなことは気にならないほどに彼の気持ちが嬉しかった。


……信じてみてもいいのかな。


ほんの一瞬、そんなことを思った。


『ありがとう、川島くん』


日常会話ならできると言っていた彼に、手話でそっとそう伝える。


するとその手話の意味を理解した彼は、机の上に肘を置き、握りこぶしを作って、私に向けてきた。


え???


……あっ、もしかして……。


私はハッとして、自分も机の上に肘をつき、握りこぶしを作った。


コツンとぶつかり合う拳と拳。


やっぱり……、グータッチだったんだ……!


……でも、なんでグータッチなんだろう?

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