キミへの想いは、この声で。
俺は夏休みを利用して、颯太に会いに行くことを決意し、父さんと一緒に昔住んでいた街へと向かった。
「……だから、颯太!茜っちと友達になってほしい。
人を信じる勇気を与えてほしい」
俺は事情を話すと、頭を下げてそうお願いした。
俺のせいで、声を失ってしまった茜っち。
ただでさえ、人見知りで心を開くことが苦手なのに、俺は──……。
茜っちに信じる勇気を失わせるようなことをしてしまった。
だからこれは……、せめてもの償い。
自分勝手で最低なのは、百も承知。
だけど──……。
「わかった。俺、その子と友達になる」
颯太は立ち上がると、決意するように言った。
「……ありがとう」
ゆっくりと目を閉じる俺。