キミへの想いは、この声で。
俺はバケツの水をぶっかけられたかのように目を覚ました。
……そうだ。
俺は、茜っちの気持ち……ちゃんと考えてなかった。
茜っちのためとか言って、本当はただ自分の気持ちを押し通していただけだったんだ。
「……っ。俺、茜っちのとこ行ってくる!!」
クルッと向きを変えた俺は、全速力でふたりのことを追いかけた。
……今さら、遅いかもしれない。
でも、ここでなにもしなかったら、茜っちにまた……。
あの日のことを思い出させ、苦しみを与えるだけだ。
何度間違えたかわかんねーし、これが正解なのかもわかんねぇ。
でも……。
もう後悔だけはしたくないんだ──。
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