キミへの想いは、この声で。
じわりと景色が滲んでいく。
……よりによって、なんでこの日なんだろう。
そして、どうしてこんな残酷な現実なのだろう。
私の大切な友達は、私のそばからいなくなった。
誰とも友達にはならないと心閉ざしていた私に近づいてきてくれた、ひとりの男の子。
仲良くなって、初めて芽生えた気持ちもあった。
それなのに……。
再びあの人は現れた。
私たちの前に。
……もう、どうしていいかわからない。
濡れた頬を拭うことなく、夜空を見上げる。
すると、そんな私の真横に颯太くんが移動してきた。
「茜……」
切なげな瞳で、私を見つめる颯太くん。