キミへの想いは、この声で。

さりげなく、絡まる私の右手と颯太くんの左手。


だけど今は、そんなことすら気にならなかった。


だって……。


「本当のことを今から話すから聞いてほしい」


月の光を浴びながら、真剣な眼差しで私にそう言ったから。





颯太くんたちの家から少し離れた、ちいさな公園。


昔はよくここで遊んでいたんだって、ここへ来る前に颯太くんが話してくれた。


私はお母さんに遅くなることを連絡すると、五時半までには帰ってくるようにと言われ、門限とされている時間を少しだけ延長させてもらうことができた。


颯太くんがふたつあるブランコのひとつに腰かけたので、私もその横のブランコにそっと腰を下ろした。

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