キミへの想いは、この声で。
入り口付近には、膝に手を当てて、肩で息をしている人が立っていた。
……間違いない。
暗いけど、わかる。
あれは絶対、ひーくん。
そうわかった途端、私はブランコから降りて、彼のほうへ走りだしていた。
ひーくん……。
本当は、たくさん話したいことがあるんだけど、今はそれを話している時間がないから、せめてこれだけは言わせて。
私は彼の背中に腕をまわすと、彼の瞳を見て、大きく口を開いた。
『おかえり、ひーくん!』
夜空から、白くてちいさいものが、ひらひらと舞ってくるなか、私はずっと、心の中で双子に『ありがとう』を伝えていた──。
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