キミへの想いは、この声で。
『ひーくんは、今でも私の大切な友達だよ!』
「……っ」
私の口パクが読みとれたのか、ひーくんはすごく驚いた表情を見せる。
「……茜っち」
久しぶりにひーくんの口から出た、その呼び方。
ひーくんは私からピンクのミサンガを取ると、私の右腕にそれを結びつけた。
「……こんなボロいの大切に持っていてくれてありがとう。
俺も……、茜っちともう一度友達になりたい」
「ようやく素直になったか、バカ陽太!」
コツンと颯太くんがひーくんの頭を小突く。
「うん……、ごめん」
「まー、ふたりの仲が戻ったんなら、それでいいけど」
颯太くんは缶のココアをゴクッと一気に飲み干した。
「颯太……、早くね?俺まだ、熱くて飲めねーんだけど……」
「だって、もうすぐ五時半になるし。
茜のお母さんをこれ以上、心配させるわけにはいかないじゃん」
颯太くんに言われ、私も公園に設置されている時計に慌てて目を向ける。