キミへの想いは、この声で。
見ると、時計の針はもうすぐ二十分を指そうとしていた。
ど、どうしよう……。
飲みきれるかな……!?
「茜、別に急いで飲むことはないからな?
自分のペースで飲んでいいから」
私の気持ちを察したのか、颯太くんは優しい声でそう言った。
「そうだよな。のんびり飲もう」
「あ、陽太。お前はさっさと飲みきれよ」
「は!?なんで俺だけ!?」
颯太くんの唐突すぎる言葉に、ひーくんの目は見開いてしまった。
「理由はない。けど、さっさと飲め」
「……わかったよ」
颯太くんの圧力に押されたひーくんは、渋々首を縦に振った。
白い粉雪が降り注ぐのを眺めながら、私はもう一度ココアを口にする。
それは、今まで飲んだどのココアよりも甘くて優しい味がしたんだ──。
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