キミへの想いは、この声で。
story*18 夜空に浮かぶ、星のように。
カーテンから漏れる太陽の光。
眩しくて、うっすらと重たい瞼を開く。
「……んー」
もう少し……寝たいな……。
毛布にくるまりながら、ボーッとした頭で考える。
……ん?あれ?
さっき……、私、声出てなかった……?
ムクリと起き上がり、ちいさく声を出してみる。
「あー……」
……え!?ウソ……。
声が出た……!!
〝声が出た〟たったそれだけで、心が震えた。
私は毛布から乱暴に抜け出すと、リビングまで慌てて駆け出した。
「おはよう、茜。そんなに慌ててどうしたの?」
「お母さん……!」
私はギュッとお母さんの背中に腕をまわした。
「茜!声が……」
「うん!よくわかんないけど、起きたら出せるようになってたの!」
「よかった……、茜……」
お母さんは私の頭を撫でながら、声を震わせて言った。